小さな仕合せ
同じ空間に誰かいる。そのことに仕合せを覚えたのはそれを失ってからのことだった。
否、一人暮らしとて悪くはない。それなりに楽しいさ。
でも、埋まりきらない寂しさが一人寝の夜に静かに染みる。
寂しくて、寂しくて、寂しい。
嗚呼、あの頃は仕合せだった。過去の仕合せを思い返してみるけれど、きっと今も仕合せなんだろう。
振り返ってあの頃はと思う前に、今の仕合せをかみ締めてPCを開く。
インターネットの向こうの貴方に少し嬉しい私信を送るために。